Linuxシステムを管理する上で、重要な役割を果たすのが「スーパーユーザー(root)」です。スーパーユーザーは、システム全体に対する最高の権限を持っており、システムファイルの変更やユーザー管理など、通常のユーザーでは実行できない操作を行うことができます。この記事では、スーパーユーザーへの切り替え方法や、sudo
コマンドを使って他のユーザーにroot権限を付与する方法を解説します。
スーパーユーザーとは?
スーパーユーザー、またはrootは、Linuxシステムの全ての権限を持つ特権ユーザーです。通常のユーザーはシステムの重要なファイルや設定を変更できませんが、スーパーユーザーはこれらを自由に操作することができます。

WindowsのAdministratorユーザーと同じようなものだよ
- システムの管理: ソフトウェアのインストール、ファイルシステムの管理、ユーザーの作成などの操作を行うためにroot権限が必要です。
- セキュリティ: 重要なシステムファイルや設定を変更するのは通常のユーザーに許可されていないため、セキュリティを保つためにもroot権限が使われます。

Linuxは一般的にrootでログインすることは推奨されておらず、必要なときにだけ権限を取得して操作するよ。
スーパーユーザー(root)に切り替える方法
スーパーユーザー(root)に切り替える方法は以下の通りです。
suコマンドを使う
su
(substitute user)は、現在のユーザーから別のユーザーに切り替えるためのコマンドです。rootユーザーに切り替える場合、以下のコマンドを使います。
$ su -
ここで、rootユーザーのパスワードを求められます。正しいパスワードを入力すると、rootユーザーとして操作できるようになります。
su
コマンドでrootに切り替えた際は、システム全体に影響を与える操作ができるため、慎重に扱う必要があります。誤って重要なファイルを削除すると、システムが正常に動作しなくなる可能性があります。
sudoコマンドを使う
sudo
(superuser do)は、一時的にスーパーユーザーの権限でコマンドを実行できる便利なコマンドです。su
とは異なり、rootユーザーとしてログインすることなく、特定のコマンドだけをroot権限で実行できます。
例えば、パッケージをインストールする場合は次のようにします。
$ sudo dnf install git
sudo
コマンドを使う際には、自分のユーザーのパスワードを入力します。これにより、rootのパスワードを知らなくても、特定の操作を行うことができるようになります。
- 限定的な権限使用: 一度に全権限を持つのではなく、必要な操作だけroot権限で実行できるため、システムに与えるリスクを最小限に抑えられます。
- ログ管理:
sudo
を使用したコマンドはログに記録されるため、誰がどのような操作をしたかを確認できます。
他のユーザーにroot権限を付与する方法
システム管理者が他のユーザーにスーパーユーザー権限を与えたい場合、sudo
グループにそのユーザーを追加することで実現できます。以下の手順で実行します。
sudo
グループに追加
まず、特定のユーザーにroot権限を与えるために、そのユーザーをsudo
グループに追加します。
$ sudo usermod -aG sudo abe
これにより、その abeという名前のユーザーがsudo
コマンドを使って、スーパーユーザーとして操作できるようになります。
- 変更を確認する
ユーザーが正しくsudo
グループに追加されたか確認するために、次のコマンドを実行して確認します。
$ groups username
このコマンドでsudo
グループがリストに表示されれば成功です。
- 基本的なコマンド操作
- ファイルの作成と編集
- スーパーユーザー(root権限)の切り替え方法 ←この記事はここ!
- システムサービスの管理
- パッケージ管理
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