LinuxやUnix系のシステムを操作する際、重要な役割を果たすのが「シェル」です。この記事では、シェルの仕組みやその必要性、役割についてわかりやすく解説し、さらにシェルの種類やログイン・シェルの変更方法についても説明します。
そもそもコマンドライン操作は必要なのか?
シェルは、ユーザーとコンピューターの間で指示をやり取りするためのツールです。最近ではWebブラウザやGUIツールが普及しているため、コマンドラインで直接コマンドをタイプする必要性は、以前よりは少なくなっているかもしれない。とはいえ、いくらGUIが進歩しても、特にシステム管理者はコマンドラインでの操作をマスターしておく必要があります。
コマンドラインを使うメリットは以下のようなものがあります。
- リソースの節約: GUIを使うとコンピューターに負荷がかかりますが、コマンドラインではその負荷を最小限に抑えることができます。
- 自動化: シェルスクリプトを使って、繰り返しの操作を自動化することが可能です。
- 詳細な操作: コマンドラインでは、システムに対して非常に細かい指示ができるため、深いレベルでの管理が可能です。

上記のようなメリットがあるため、Linuxでシステム運用をするときに”あえて”GUIツールを導入しないケースが多いよ。
シェルの役割
シェルは、ユーザーが入力したコマンドを解釈し、それを実行する「通訳者」のようなものです。シェルがないと、ユーザーは直接カーネル(システムの中核)に指示を出すことになり、非常に複雑で扱いにくくなります。
シェルの主な役割は以下の通りです。
- コマンドの解釈と実行: ユーザーが入力したコマンドを解析し、システムに実行させます。
- スクリプトの実行: 複数のコマンドをまとめたスクリプトを実行することができます。これにより、手間のかかる作業を自動化できます。
- 環境の管理: 環境変数やシェルの設定を変更することで、作業の効率を向上させます。
シェルの種類
Linuxには複数のシェルが存在します。代表的なものを以下に紹介します。
シェル名 | 特徴 |
---|---|
Bash | 最も広く使用されているシェル。スクリプトの書きやすさと柔軟性が特徴。 |
Zsh | Bashに似ていますが、より強力な補完機能やカスタマイズが可能。 |
Fish | 自動補完機能が豊富で、使いやすいインターフェースが魅力。 |
Dash | 軽量で高速なシェル。シンプルなスクリプトに適している。 |
Ksh | Kornシェル。スクリプトのパフォーマンスが高く、大規模なシステム管理に向いている。 |
シェルでのコマンド実行の仕組み
シェルでコマンドを入力して実行すると、次のような流れで処理が進行します。
- コマンド入力: ユーザーがシェルに対してコマンドを入力します。
- 解釈: シェルがそのコマンドを解析し、システムにとって意味のある形式に変換します。
- カーネルに命令: 解析されたコマンドを基に、シェルがカーネルに処理を依頼します。
- 実行結果の返却: カーネルが処理を完了すると、その結果がシェルを通じてユーザーに表示されます。
例えば、あなたがファイルの一覧を表示するlsコマンドを入力したきの流れを示してみます。
まず、Teratermやputtyなどの端末でLinuxにログインするとプロンプトが表示されます。このプロンプトを表示しているのがシェルです。
$ ←これがプロンプト
ここにあなたがlsと入力したとします。
$ ls
この入力は、シェルによって解析され、カーネルにコマンドの実行カーネルに依頼します。カーネルは、lsコマンドを実行し、実行し終えるとシェルにそのことを伝えます。すると、その結果(ファイルの一覧)が出力されます。

こんな流れでコマンドが実行されるので、シェルは「通訳者」のようなものって言われてるらしいよ。
ログイン・シェルの変更方法
シェルはユーザーごとに設定でき、デフォルトのログインシェルも変更可能です。ログインシェルとは、システムにログインした際に自動的に使われるシェルのことです。
使用可能なシェルの確認
今使っているLinuxで使用可能なシェルは、/etc/shellsファイルに記述されています。
/bin/bash /bin/nologin /bin/bash2 /bin/ash /bin/bsh /bin/tcsh /bin/csh /bin/ksh /bin/zsh
現在のシェルを確認する方法
現在使っているシェルを確認するには、以下のコマンドを使います。
$ echo $SHELL
ログインシェルを変更する方法
ログインシェルを変更するには、chsh
コマンドを使用します。例えば、Zshに変更する場合は次のようにします。
$ chsh -s /bin/zsh
変更が反映されるのは、次回のログインからです。

ちなみに、GUIツールでも変更はできるよ。ただし、「システム」→「管理」→「ユーザーとグループ」→「プロパティ」をクリックして、そこからシェルを選択して、、、みたいになるので、コマンドの方が楽なんだよね。
まとめ
シェルは、Linuxシステムの操作や管理を効率化する強力なツールです。初めての人にとっては最初は難しく感じるかもしれませんが、基本的なコマンドや操作を覚えることで、システムを自由自在に扱えるようになります。
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