体外受精って、なんとなく「高い」というイメージがあるんじゃないだろうか。
実際、保険適用前は1回あたり50万〜80万円かかることもザラで、それが2〜3回続いたりするから、費用が数百万円にもなるという話もある。
ただ、2022年に保険適用になってから、状況はかなり変わっている。
今回は、我々夫婦が2025年に体外受精を経験した際の費用について、実際にかかった金額を全部公開する。東京都在住・30代共働き夫婦の話なので、同じ境遇の人に参考になればいいな。
結論から言うと、総費用は約12万円ですんだ。
「え、そんなもんなの?」という感想を持った人は、ぜひこのまま読んでほしい。
体外受精の費用、思ってるより全然安かった

体外受精というワードを聞いた瞬間、「お金がかかる」「保険きかない」というイメージが頭に浮かぶ人は多いと思う。
ただ、ちゃんと調べたら全然そんなことなかった。
2022年から体外受精は保険適用になっている
2022年4月から、体外受精を含む不妊治療が保険適用になった。
保険適用前は、体外受精1回で50〜80万円かかるのが相場だったらしい。それが保険適用後は、3割負担になるので費用が大幅に下がる。
ただし、保険適用には年齢制限があるので注意が必要。(2026年現在)
- 43歳未満であること(治療開始時点)
- 保険適用の回数制限:1子ごとに採卵6回まで(40歳未満は)、40歳以上43歳未満は3回まで
要は見込みの薄い人に無制限にお金をあげませんよってことらしい。これは財源も無限ではないので致し方なし。
これ以外の条件や細かい要件はクリニックで確認してほしいんだけど、基本的に40代前半までであれば保険が使えるケースがほとんど。
東京都在住なら助成金でさらに安くなる
東京都は不妊治療に関してかなり手厚い自治体のひとつだ。
2023年度以降、東京都の不妊治療費助成が拡大されており、保険適用後の自己負担分に対してさらに助成が受けられる場合がある。具体的な金額や要件は年度によって変わるので、東京都の公式サイトか担当窓口に確認してほしいんだけど、今回は実際にいくら戻ってきたのかってのを書いていく。
東京都在住30代夫婦の体外受精 総費用を公開する

ということで、実際に我々夫婦でかかった費用を書いていく。
前提として、治療内容・通院クリニック・体の状態によって金額は変わるので、あくまで東京都在住の30代共働き夫婦の「ひとつの実例」として参考にしてほしい。
1回あたりの治療費の内訳
体外受精の治療は、大きく分けると以下のステップになる。
- 排卵誘発(注射・薬)
- 採卵
- 受精・培養
- 胚移植
で、それぞれの治療のために複数回通院し、毎回クリニックへ支払いが発生する。
実際に妻が体外受精対応のクリニックに初めて通ってから、産婦人科へ転院するまでの治療内容、各費用、通院回数は以下の通り。
| 治療内容 | 費用 / 回 | 詳細 | 通院回数 |
|---|---|---|---|
| 初診 | 3,000円 | 採血 | 1回 |
| 排卵誘発 | 6,000~10,000円 | 採血、超音波、薬 | 3回 |
| 採卵 | 32,000円 | 採卵 | 1回 |
| 受精・培養 | 74,000円 | タイムラプス(先進医療) | 1回 |
| 胚移植前の検診 | 3,000円 | 採血、超音波、薬 | 3回 |
| 胚移植 | 37,000円 | 胚移植 | 1回 |
| 陽性確認後の検診 | 5,000円~10,000円 | 採血、超音波 | 5回 |
この間3か月弱で合計15回通院し、支払総額は約21万円だった。ただ、薬の種類や検査の追加によって変わってくるので、絶対この金額とはいかないものの、ざっくりこのくらいなんだなあと思っていただければ。
付加給付という制度を使ったら月の負担が25,000円になった
付加給付という制度を知らない人は多いんじゃないだろうか?
「付加給付」というのは、健康保険組合が独自に設けている制度で、1か月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合に、超えた分を後から返してくれるというものだ。
高額療養費制度とは別の話なので混同しないでほしいが、勤務先の会社でこれが使える組合に入っていると、月の負担額を超えた分は自動的に戻ってくるという仕組み。(自動的に勝手にお金が振り込まれているので、付加給付という制度自体知らない人も意外と多い。)
妻の場合は会社の健康保険組合がこの制度に対応していたので、月の負担が25,000円を超えた分は自動的に戻ってきた。ありがてえ。会社員であることに感謝。
結果として、合計で約70,000円が後日戻ってきた。
まずは自分の健康保険組合のサイトか、会社の総務に「付加給付はありますか?」と一度確認してみることをすすめる。
東京都の先進医療助成金というものある
我々は受精卵の培養にタイムラプスという先進医療を採用した。さっきの表でも唐突に「タイムラプス」って書いてるんだけど、これは先進医療になるので保険対象外となり、付加給付でも戻ってこない。つまり、これについてはきっちり70,000円ほどの費用が発生しているんだ。
費用は高いけども、この方法が一番良いだろうと判断したが、なんとこれについては先進医療助成金というものがあるんだ。これに申請することで東京都から21,000円が戻ってくる。(実際には書類作成費が引かれて15,500円になるが)
東京都は本当に強い。普段から高い税金を払っているので、ここぞとばかりにどん欲に助成金はもらっていく。
そんなこんなで体外受精の総額は12万円
上記の付加給付や助成金で戻ってきたお金を差し引くと、総費用が12万円で済んだ。値上げされたSwitch2の2台分と同じ金額だ。(そう考えると安いのか高いのかよく分からない)
国の保険3割負担+東京都の助成+付加給付のトリプルコンボが効いた結果だ。
ただし、今回は運よく一回目の移植で成功しているだけということもある。2,3回と胚移植をするとその分費用はかかるし、採卵からやり直しになるともっとかかってしまうこともある。
あくまで一回で成功した場合の最安ラインだと思っておいた方がいい。
そうは言っても、不妊治療は精神的に消耗することも多いので、少なくとも金銭面では「思ってたよりずっと現実的な範囲」だったというのが率直な感想。
体外受精の総費用のまとめ

体外受精の費用については、古い情報のまま「高い」と思っている人が多い。
2022年以降の保険適用、東京都の助成拡大、そして付加給付という制度を組み合わせれば、うちのように総額10数万円という水準に収まるケースも普通にある。
人工授精にかかった費用や、体外受精全体のスケジュール・流れについては別の記事にまとめているので、気になる人はそちらも読んでみてほしい。
不妊治療は体力的にも精神的にも消耗するが、お金の部分だけは意外と何とかなる。そう思えたことが、治療を続けられた理由のひとつだった。
俺も不妊治療を始める前は体験記などめっちゃ見ていたので、次は皆さんへ還元する番だと思って書いてみた。これが少しでも役に立つとうれC。




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